第1001回 ナクシャトラと割り込み要求
「当所と住吉とは国を隔てたるに、何とて相生の松とは申し候ふぞ」(謡曲「高砂」)。こんにちは、スパイラル研究所の大島雅己です。
組み合はせがうまくいかない時、相性が悪いのだとされることがあります。食べ物でも一緒に摂らない方がよい組み合はせがあります。人間同士でも、どうしてもウマが合はない、といふことがありますし、占いでは血液型や星座などで吉凶を判じたりします。環境になじめない時に「水が合はない」などと言ひます。モノ同士がうまく適合しない場合、納まりが悪いとかマッチしないとか反りが合はないと言はれます。
かういつたもの全てを相性の悪さで片づけてしまふことは簡単でせうが、その前に何がどう悪いのかを考へた方がよいかもしれないと思ふことがあります。たとへば組み合はせの方向が少しずれてゐるだけかもしれない。タイミングの問題かもしれない。何かひと手間加へることで解消するかもしれない。あるいは何か別の要素を足せばよいのかもしれない。もつと言へば、合はないままの状態で問題ないのかもしれない、いや、合はないやうに見えて実は別の観点からは新しい価値が生じてゐるかもしれないのです。
IT現場でもこの考へ方は使へるはずです。機器の相性、ソフトとハードの相性、システムの相性といつたものは、工夫次第で解決できる可能性があります。
<今日の一唱>
謡曲『高砂』