第972回 ピエゾ素子とジョンフラム信仰

食積や七日デジタル為體。こんにちは、スパイラル研究所の大島雅己です。

80年代中期ごろからワープロが普及して誰もが活字で手紙を書けるやうになり、やがてパソコンや家庭用プリンタも一般的になり、年賀状は表も裏も機械的自動的に作成可能となりました。当初は私もその便利さにすつかり乗せられました。すなはち便乗。住所録情報をパソコンに入れておき、あとは適当な絵柄を設定すればクリックカチカチで50枚でも100枚でも年賀状が出来上がる。データの管理と、図面のデザインと、ハガキの印刷と、すべてを正確に迅速にこなしてくれるパソコンはまさに文明の利器として重宝されました。

ところが何回か使つてゐるうちに、ふと虚しくなりました。結局この年賀状には私自身の言葉も思ひも入つてゐない。印字されたハガキの上に直筆でメッセージを書いても「ついで感」満載で、ほとんど心が籠つてゐないやうに思へます。さう気づいてからはパソコンの使用をやめ、宛名も挿絵も文字もすべて手書きにしてゐます。手間も時間も昔に逆戻りですが、これで正解だと思つてゐます。

つまり何でも自動化、機械化、簡易化、効率化すれば皆が喜ぶわけではないのです。私が手紙を書く際に最も大事にしたいことは時間や手間の削減ではなかつたのです。

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<今日の本歌>
尾崎紅葉の句

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