第72回 もののあはれとアナキズム
緑の中を走り抜けていく真っ赤なブログ。こんにちは、大島雅己です。
人は己の欲求を満たすものを求め、それを与えるものに集まる。より多く、より簡単に入手できるものであるほどよい。与える側と享受する側との間にはマーケットが発生する。市場原理が働き、より多くのものが蔓延し、より多くの人が享受するようになり、マーケットは発展する。
マーケットにはそれなりのルールや作法があるはずだが、マーケットの拡大に伴ってそれを無視したり破ったりするものが出現し出す。自由度が大きくなるほど環境は爛熟してマーケットは暴走し、やがては崩壊するでしょう。
となると、どこかでその暴走をくいとめる機能が求められる。ルールや作法を強化していくと不自由さが増していきますが、かといって統制をなくせば場は破綻に向かうでしょう。その均衡をどこに置くべきか。それが問題ですね。
IT現場を想定した話のつもりでしたが、昔読んだ「自由と規律」をふと思い出しました(高校の時読まされた。もはや手元にないのでネットで注文しまいました)。
池坊専好を描いた映画「花戦さ」を観て、「己の価値を磨け」という精神に痺れました。戦いに勝つのが偉いのではない。人としての心で勝負すべし。人の心は移ろいやすく流されやすく弱いもの。それを磨くのが、例えば茶道や華道といったものなのかもしれないなと思いました。
今回は話の趣旨が一貫していないように見えるかもしれませんが、私の頭の中ではつながっているのです。
<今日の本歌>
山口百恵「プレイバック Part 2」