第958回 全称命題とヤクザ型コミットメント

洛陽の親友如しIT問はば/一片の氷心玉壷に在りと。こんにちは、スパイラル研究所の大島雅己です。

何事に於いても素直な心であることが望ましいに決まつてゐる、と思ふ一方で、物事を疑ふ見方も必要であるのに違ひないのです。この一見相反する物の見方はどちらも正しいのであり、常に両方のレンズを使へる状態で携へておき、必要に応じて使ひ分けるわけですが、適用を間違へると厄介なことになります。

人から親切にしてもらつた時に「これは下心があるのだらう」と邪推してばかりゐては人間関係が悪くなるでせうが、かといつて誰の言ふことも全面的に従ひ続けてゐると悪質な罠に嵌められるかもしれません。

さうならないためのポイントはいくつかあります。まづ、余計な思ひ込みや偏見を捨てた状態で情報に接すること。そして自分の頭で内容を咀嚼すること。そのために考へられる限りの仮説を立て、自分の中でQ&Aを繰り返すこと。

IT現場でこのプロセスは極めて重要です。新しいシステムの要件を決める時も、プログラムを構築する時も、トラブルを解決する時も、常にこのアプローチで取り組むべきです。

(A面へ)

<今日の本歌>
王昌齢『芙蓉樓にて辛漸を送る』

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