第942回 アコニチンとシェファーの棒記号

思はじと思ふもブログを思ふなり思はじとだに思はじやなぞ。こんにちは、スパイラル研究所の大島雅己です。

思ふまい、と思つた時点でもう思つてゐるわけです。つまり、思ふのをやめやう、考へるのをよさう、などの否定形の意志はパラドクシカルに不可能なのです。「ピンクの象を想像してはいけない」と言はれた時点でピンクの象が頭に焼き付いてしまふ。「絶対に押すなよ」は「押せ」の意味。「覗いてはいけません」と言はれれば覗く。「猛毒だから食べてはいけない」と言はれたら命を賭しても食べてしまふ。

つまり、何かを「してはいけない」といふ縛りは全くもつて逆効果なのであり、ではどうすればよいかといふと、別の新たな縛りを与へて上書き消去するか、最初から肯定系の縛りにしておくしかなささうです。「Aだと思つてはいけない」の代りに「Bだと思へ」。「Aをしてはいけない」ではなく「Bをせよ」のやうに。

IT現場にも数多くのルールや縛りがありでせうが、「かうしてはいけない」といふルールがなかなか守られない時、「このやうにしやう」の形に置き換へてみると変化があるかもしれません。

(A面へ)

<今日の本歌>
古歌(出展未詳)

Follow me!

コメントを残す

メールアドレスが公開されることはありません。 が付いている欄は必須項目です

CAPTCHA