第932回 トンボロ現象と笑い翡翠

ブログなき淵やは騒ぐ山川の浅き瀬にこそあだ浪はたて。こんにちは、スパイラル研究所の大島雅己です。

なるほど底の浅い川の瀬ほど水音は大仰に響くといふことか。つまり器の小さい容れ物は少しの中身で一杯になり振ればガチャガチャとけたたましい。逆に大きな器なら多少何かが入つてきたところで音も立てずどつしりと構へてゐる。

人の心もそれと同じことで、考へが足りない浅学な状況では、どうでもよいことににもみだりに騒いであたふたしてしまふものですが、広く深い心で泰然自若としてゐれば冷静沈着な行動を取れるものです。いかに自分の中の淵を堂々としたそこひなき状態にできるかが重要なことなのだと思ひます。

IT現場でも何かといふと騒ぎ立てる人がゐます。状況に敏感なことはよいのですが、それをただただ騒々しく喧伝したり吹聴してゐるだけではあまり意味はないでせう。常に平常心を持つて心をフラットな状態にした上でしかるべき対応を取るべきです。

(A面へ)

<今日の本歌>
素性法師(古今和歌集巻第十四 恋歌四)

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