第918回 胡頽子とモルゲンロート

書くブログのままに高きに登りけり。こんにちは、スパイラル研究所の大島雅己です。

高きに登り、とは元々中国の古俗から来てゐるさうで、重陽の節句の行事とのこと。山頂で茱萸や菊花を酒に浮かべて飲むといふので何となく秋のお花見めいて楽しさうですが、これも邪気払ひの厄除けださうで。

私は登山やトレイルラン等の趣味はありませんが、人が山に憧れる気持ちには共感できます。山は神秘であり自然であり境界であり恐怖であり信仰であり精霊であり母であり歴史であり命であり笑ひもし眠りもし滴つたり茂つたり飾るものである。さういつた特殊な存在に対して足を踏み入れることは、人間世界を見つめ直し、自分を振り返り、人生を考へ直す意味があると考へられてきたのではないでせうか。登山をしなくとも、一歩高い場所に登るということにはさういふ意義があるのだと思ひます。

IT現場でも時々高きに登つてみる価値はあります。目の前の仕事に囚はれず一段高い位置から全体を俯瞰してみれば、新たな発見もあるでせうし、疲れた頭をリセットする効果もあるはずです。

(A面へ)

<今日の本歌>
富安風生『愛日抄』

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