第914回 量子もつれと七つボタン

色見えで移ろふものは世の中の人のブログの花にぞありける。こんにちは、スパイラル研究所の大島雅己です。

エスパーはどのやうにして人の心を読むのか。その仕組みは私が思ふに、かうです。人の思念といふものは通常から脳波として電気信号に変換されて神経系に存在してゐる。エスパーは彼または彼女の身体に触れることでその信号を捉へ、それを元の思念に逆変換し、自分の脳内で再現することができるといふわけです。直接身体に接しなくとも、金属や電解液といつた導体を媒介にしても伝心は可能である。

などと書くといかにも尤もらしいけれど、実際にはそのやうな技術が本当に存在するのかどうか、あるとしてもどうすればそんな能力を開発することができるのかはわかりません。結局人の心は読めるものではなく、それを知るにはお互いに腹を割つて話し合ふしかないのであつて、傾聴と信頼と坦懐がその助けとなるでせう。

どんなにすぐれたITを駆使しやうとも人の心が読めるわけではありません。ITが扱へるのは形になつて現れたものだけです。それを分析加工集計演算することはITの仕事ですが、そこから何を得るか、何に生かすかは人間次第です。

(A面へ)

<今日の本歌>
小野小町『古今和歌集』七九七番

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