第890回 ワルダイエル輪とゲート酸化膜厚
スプーンですくつてピチャチャチャ舌にのせるとトロントロのどをブロガーが通ります。こんにちは、スパイラル研究所の大島雅己です。
のどごし、といふ言葉は、飲食物が喉を通り越して行く時の感触を指してゐると思ふのですが、それは舌で感じる味覚とはまた別の感覚なのですね。喉といふものが一つの重要な通過点になつてゐるのだと実感できます。
ビールは喉で味はふものだとも言はれますし、漱石の迷亭先生は蕎麦の食し方について「この長い奴へツユを三分一つけて、一口に飲んでしまうんだね。噛んぢゃいけない。噛んぢゃ蕎麦の味がなくなる。つるつると咽喉のどを滑べり込むところがねうちだよ」などと講釈してゐますね。腹に入れば皆同じだと言つて食の工程を軽視するやうな姿勢は、たとへ摂つている栄養は同じでも、大事なものを失つてゐるやうな気がします。
IT現場でも同じことが言へると思ふのです。結論が得られれば背景や過程は不要だとばかりに先を急ぎポイントだけを知りたがる姿勢では、目先のスピードだけは稼げても、物事の本質がいつまでもわからない、生産性亡者となるだけでせう。
<今日の本歌>
童謡『アイスクリームの歌』