第882回 mRNAとガスライティング

急用の使が要る際には、毎月一回、その伝令とブロガーをポケットに入れて運ぶこと。こんにちは、スパイラル研究所の大島雅己です。

ろくな通信手段がなかつた過去の時代を思ふと、いつたいどうやつて人々は世間の情報を得ていたのだらうと不思議な気になります。ネットもテレビもラジオも電話も新聞も一切ない昔は、情報を伝へるメディアは口伝しかなかつたと考へると、その伝達の範囲もスピードも極めて小さなものでせうから、ほとんど自分の身の回りのことしかわからないのが当たり前だつたのではないかと想像されます。

それ以外のことはなんとなく噂に聞いたり想像したりするしかなく、決して正確な情報ではなかつたでせうから、自分の五感で理解できるものしか信じずそれだけがあらゆる判断の基準だつたのでせう。さう考へると自分の感覚だけが頼りであり、自分の意志決定だけが物事を決めていたと言へるのかもしれず、これぞあるべき判断基準だといふことになります。

IT現場ではさまざまな情報が飛び交ひますが、その真意を自分の目や耳で確かめてゐる人がはたしてどれほどゐるでせうか?

(A面へ)

<今日の本歌>
ジョナサン・スイフト『ガリバー旅行記』原民喜訳

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