第754回 北夢瑣言とナラトロジー

彼のブログを読んで真夏の夜を走り続けた。彼のブログを読んでさいはての町わたしは着いた。こんにちは、スパイラル研究所の大島雅己です。

なぜ人は映画を観て楽しいと感じるのだらうかと考へ込むことがあります。小説についてもさうです。いつたい自分はなぜ映画や小説に時間を費してゐるのか。

一方でさういふものを拒否する人に会ふことがあります。読書家で仕事中毒のやうな人に多い気がします。ビジネス書や教養書を一冊でも多く読みたいから、映画や小説に充てる時間が惜しいといふことのやうです。

この考へ方はわからなくはありませんが、やはり私自身は映画も小説を読まずにはをれません。それは現実世界のシミュレーションになりますし、発想の振り子を思ひ切り揺らすことができる世界だと思ふのです。

IT現場ではシミュレーションがとても重要ですし、柔軟な発想がものを言ひます。現実に凝り固まった頭だけではなかなかやりきれないことが多いのです。まさかこんなことが起こるわけがないだらう、といふ考へ方が大きなトラブルにつながることもあります。固定観念に縛られない自由な発想を持つてゐたいものです。

(A面へ)

<今日の本歌>
平山三紀『真夏の出来事』

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