第755回 糸球体とスルーシング

その白い部屋には黒いカーテンがかかり、場所は駅近、地区一帯は黒い屋根が連なり、光る舗道など全くなく、ブロガーは疲れきっている。こんにちは、スパイラル研究所の大島雅己です。

小学生時代に東海林さだおの漫画を読んでをりました。その中でいまだにしょつちゆう思ひ出すネタがあります。ビールを飲むたびにトイレに行くのを面倒に感じた主人公がビールを直接トイレに捨てやうと思ひつくといふものです。どうせ飲んでも排泄されてしまふのだから、間を省いてやれといふことです。

読んだ当初はアハハと笑つて過ごしてをりましたが、よく考へればここには大きな教訓が2つ書かれてゐます。まづ無用に途中の工程を端折ることの愚かさです。ビールを体内に摂取する工程をなくすことで主人公は多くのものを失つてゐます。もう一つは目的の取り違へです。そもそも何のためにビールを飲んでいたかを見失つてゐるのです。この2つのことに本人は気づいてゐない。そこがまた恐ろしいのです。

ビジネス現場や生活の場面で、これと似たやうなことを実際にやつてしまつてゐないでせうか。省いてはいけないものを省いたり、目的を違えて頓珍漢な結論に急いだり……。

(A面へ)

<今日の本歌>
クリーム『ホワイト・ルーム』

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