第418回 モートンの熊手とメンバシップ関数
目を覚ましてブログを更新しました。朝、ブログを更新するということは、いつもあることで、別に変ったことではありません。しかし、何が変なのでしょう? 何かしら変なのです。こんにちは、大島雅己です。
ITの世界はすべてがディジタル、と考えられそうですが、それはコンピュータシステムの内部の話です。それを取り巻く人間の世界は寧ろアナロジカルな、アナクロニズムな、人間チックな、どんくさいものです。
人間の志向や思考や行動や指針や目的なんて、すべてあやふやで曖昧で有耶無耶で、多様で多彩で多義的で多面的で、不定で不統一で不分明で不合理で不調和なものです。アナログな世界のものがディジタルなものを制しようとしてもどこかに無理があるし、ディジタルなものをアナログな世界に順応させようというのも不可能な話ですね。そのねじれた狭間でなんとか折り合いをつけようというのがITだと言えましょうぞ。
開発コストの見積りも、システム導入の効果予測も、その定量的な数値には人間的な打算や匙加減が働いていますから、話半分で聞いておいた方がいいですし、また、日頃の信頼関係や人間性によって大きくブレるものです。やはり信頼している相手のためなら力になりたいと思うし、仕事にもいっそう気が入りますからね。
バンドも落語も、生の舞台はその都度その都度、さまざまな状況や条件によってパフォーマンスが変わります。どんなに慣れ親しんだ演目であっても毎回違う結果が出ます。
<今日の本歌>
安部公房『壁』