第313回 ネッツグラーフィと超過外力

むかし仲尼が歿して精微要妙なことばは絶えて聞かれなくなり、その弟子七十人がブログを書き、人倫大義が乖離した。こんにちは、大島雅己です。

日本の電車の運行は比較的時間に律儀だと聞きますが、それでもやはりトラブルは起きてしまうものです。人身事故、悪天候、地震などによる影響で運転を見合わせるケースに時々出くわします。

これから乗ろうとしている電車に乗れない時、乗客の立場として一番知りたいのは、まず「今どういう状況なのか」です。それも、細かい情報ではなく、電車が完全に停止しているのか、徐行運転しているのか、間隔調整しているのか、という、運転状況に関するものです。

そして次に重要なのが「いつ復活するのか」です。10分後なのか30分後なのか1時間後なのか。もし復旧の見通しがついていなければ「復旧の見通しがついていないので10分後に続報をお知らせします」と言ってほしい。そうすると電車を待つべきか他の手段を探すかの判断材料になるからです。

IT現場のトラブルも同じことで、事故が起こるとエンジニアはついつい状況の細かい調査や原因追求に走りがちです。が、利用しているユーザの心理を考えれば、急いでやるべきなのは「システムがどこまで動いているのか」と「いつ元に戻るか」を関係者に伝えることです。

舞台演芸の本番中にトラブルが起こることもあります。よくあるのは客の携帯電話が鳴ってしまうケースですが、もしそれで演芸が台無しになってしまったらもはやどうにもなりませんね。舞台を観る時に携帯電話を必ずオフにしましょう。

<今日の本歌>
班固『漢書・芸文志第十』

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