第289回 ユクスキュルと開ループ制御
雛の節句のあくる晩、春で朧で御縁日、同じ栄螺と蛤を放してブログの帳面に名を並べて女房と名告つて一所に詣る西河岸のお地蔵様が縁結び。これで出来なきや、日本は暗夜だわ。こんにちは、大島雅己です。
類推を働かせたり洞察をきかせたりするのは大事なことだと思っていますが、この時に気をつけたいのは単なる思い込みに乗っかってしまったり決めつけに走ったりしてしまうする危険性です。しかしそれを恐れてばかりいても何も進まない。ではどうするか。
間違った仮説である可能性を常に検証しながら考えを進めていくことです。まずは類推する。それは類推なので、間違っている可能性がふんぷんだという前提で、それを大急ぎで確かめにいく。どこかで、やっぱり間違っていたと気付いたら引き返して、またやり直す。もし正しそうならそのまま確認を進めていく。
途中途中でこのチェックを何度も入れながら仮説検証していくということなのです。時間がかかるかもしれませんが、それしか方法がないのであれば、それが最短と考えるしかない。やっているうちに時間も早まっていくでしょう。演繹思考も帰納思考も使えない時に、唯一頼れる方法なのです。
例えばピアノの練習が一向に捗らない時、その原因を探りつつ、どうしたら早く上達できるかを考えます。「曲が趣味に合っていない」「曲が難しすぎる」「練習の仕方がおかしい」「楽器がこわれている」「練習場所の雰囲気が悪い」「譜面が読みにくい」「そもそもやる気がない」「ピアノに向いていない」などなど、いくらでも類推は出てきます。これをスピーディに検証していきながら真実を見極めていくということなのです。
<今日の本歌>
泉鏡花『日本橋』