第1673回 クチクラ層と窒息スクラム

空色がクラフトビール合うゆふべ。こんにちは、スパイラル研究所の大島雅生です。

野田秀樹氏の『THE BEE』を観ました。原作はご存じ筒井康隆氏の『メタモルフォセス群島』収録一発目の「毟りあい」で、最初に読んだのは確か高校時代、一読してその狂気の爆弾に度肝を抜かれた記憶があります。

内容について多くを語るのはやめておきますが、少なくともそれまでの読書で味わったことのない衝撃的な体験でした。その傑作を野田氏にしかできない手法で再構成した本作は、基本線は原作通りでありながらも驚くような演出の連続攻撃で進行します。

人間は誰もが何らかの役割や人格を持って日常を送っていますが、それはいわば殻であり鎧であり容器のようなもの。服を着替えるかのごとく殻も取り替えられるとすれば、そして殻によって中身も変動するとしたら、どういうことが起こるのか。

いや、仮定の話ではなく、そもそも実際にそうやって世界は動いているのかもしれません。

(A面へ)

<今日の一唱>
NODA・MAP『THE BEE』

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