第1553回 四渡赤水とアトニアリティ
傘持つかどうかと悩む葉月空。こんにちは、スパイラル研究所の大島雅生です。
なにごとも目的がなければ始まりませんが、時には目的のない行動だってあってよいはずです。たとえば頭を空にして散歩すること。あてもなく本屋をぶらぶらすること。ぼうっと新聞を眺めること。縁側で風の流れにたゆたうこと。そこにあるのは、こだわりを捨てて全てを受け入れる精神でしょう。
目的を持ってそこに向かうことは大事でしょうけれども、そこを目掛けて一直線に進むことに集中し他のことを一切無視するようなスタンスは危険です。ナニガナンデモコウデナケレバダメナノダ、と思い込む前に、何のためにどこに向かうべきなのかを徹底的に考え抜いてみる。
たとえば「収入を増やしたい」という目的があるとき、これは最終的なゴールなのか。収入を増やした先に何かやりたいことがあるのなら、そっちの方がより大きな目的であるはずです。
『老子』の「有の以て利と為すは、無の以て用を為せばなり」ですね。
<今日の一唱>
『老子』