第1478回 遅延グリーン関数と洞窟の比喩

春ふかし加湿除湿に迷う朝。こんにちは、スパイラル研究所の大島雅生です。

電磁波とか電波とかマイクロ波とかブルーライトなどと普段よく聞きますが、それらがそもそもどういうものか、それぞれどう違うのか、あらためて整理してみました。私の理解ではこうです。まず大きなくくりとして電磁波があり(さらに大きく放射線と称することもある)、その中が波長によって種類が分かれる。その顔ぶれが、光であり、電波であり、マイクロ波であり、X線である。光のうちの一部にブルーライトがある。

とすると「電磁波は危険」というのはあまりにも大ざっぱな言いかたですね。電磁波そのものが悪いというより、電気や磁気が局所的に集中したり流れに淀みが生じたりすることで熱を発生させたり分子レベルの損傷を起こしたりする可能性が高まる。だいたいこんなところでしょうか。少なくとも「電磁波イコール危険物」と短絡的に捕えるのは浅薄でしょう。

そういえば池澤夏樹氏の『また会う日まで』に、「光と電磁波は本質的に同じものなのに電磁波は地球の丸みに沿って裏側まで到達する」とありました。電気と磁気の世界は人間の理解を超越した次元にあるように感じます。

(A面へ)

<今日の一唱>
池澤夏樹『また会う日まで』

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