第1366回 アニトヤと状態空間表現

大晦日定めなき世のさだめ哉(井原西鶴)。こんにちは、スパイラル研究所の大島雅生です。

さだめがない、とは結局、無常のことだと広辞苑にあります。一定しない、つまり、安定していない。とすれば、不安定であり、落ちつかないことになりますけれども、それははたして悪いことなのでしょうか。

落着きがない人、と言えば欠点のようですが、常に動き続け、変わり続けるのは大事なことでもあります。ゆく川の流れは絶えずして、とは、世の中の儚さのことであるのと同時に、人の心は変化し続けるものであるのだから一つのところに拘泥しても詮無いことだと説いているものでもあるはずです。

人間そのものだって刻一刻と細胞は成長し血液が循環し神経は鳴動しているのだから、むしろ無常とは生きていることに他ならないと思えるのです。

さだめがない、とは、生きることなり、と申しましょうか。良き年でありますように。

(A面へ)

<今日の一唱>
井原西鶴の句

Follow me!

コメントを残す

メールアドレスが公開されることはありません。 が付いている欄は必須項目です

CAPTCHA