第1362回 出島とテロメア
このシステム、末端の方では、だいぶ質が落ちているようだな(星新一『支出と収入』)。こんにちは、スパイラル研究所の大島雅生です。
末端とは構造体のいちばん端っこであり最下層との印象がありますが、逆に見ればもっとも先端にあるわけで、つまり最先端であり最前線であり第一線であり、かつまた外部との接点であるから最もビビッドに刺激を取り入れることができる、情報の最重要基地だと言えるのです。
しかし現実には末端は軽視されたり手を抜かれたり無視されたりしがちです。中枢のために末端があるのではなく、末端のパフォーマンスを最大限に保つために中枢があると考えればどうでしょう。いかにして末端を活躍させるか、どうすれば末端が最も魅力的になるか。
いっそのこと末端とか中枢の概念を一度ご破算にし、すべてのものがすべての瞬間にすべての機能を持つのだと覚悟するべきで、それが構造体の理想の姿かもしれません。
<今日の一唱>
星新一『支出と収入』