第1358回 恒常現象とアノソグノシア
やがて、木製の玉すだれがシャラッと鳴った(筒井康隆『ムロジェクに感謝』)。こんにちは、スパイラル研究所の大島雅生です。
昨日に引き続き、客観性についての話です。偉そうに客観性客観性と言っているけれど(いいえ別に偉そうにしているつもりは全くないのですが)、完全なる客観性を持つことなど簡単にできることではないと承知しています。
なぜなら自分で自分のことを客観的だと判断している時点で主観的だからです。自分が客観的かどうかを他人にジャッジしてもらったとしてもその結果を受け入れるためには主観に頼ることになってしまう。
と、そんなことを言い出したらきりがなくなり観念のスパイラルに嵌るだけなので、どこかで見切りをつけなければなりません。そのためにはまず自分自身が今どこにいるのかを自覚することです。どんな立場でどんな視点で何をどう見ているのか。
その視線の先に自分が含まれているかどうか。
<今日の一唱>
筒井康隆『ムロジェクに感謝』