第88回 始末の極意とERP
言葉を並べたものがあって、ある確定した規則のもとに、第n番目の言葉W(n)が定まるとき、これらの言葉の一段をブログといい、記号では{W(n)}などで表わします。こんにちは、大島雅己です。
第86回の記事の続編です。「私が見たIT関係者の中で、不得手な人が多いと思われるジャンル」の2つ目。それは、コスト意識です。おカネ関係ですね。
自分が手掛けようとしているものによってどのようなカネの動きが発生するかということをきちんと理解しているか。これが意外と疎かになっていると感じることが多いですね。
例えば「会社のWEBサイトを新しく作る」場合で考えてみます。
社員の担当者2名で企画を考えて、WEB制作は業者に発注します。インターネットのプロバイダーに契約して、ドメインも新しいものを申請します。サイトに必要なソフトウェアや機器など、いくつか購入するものがあります。さて、おカネ周りで考えないといけないことはどれだけあるでしょう。
まずは最初に必要になる経費関係ですかね。制作業者に払う料金。ソフトウェアや機器類の購入費。プロバイダーの契約料、ドメイン保持にかかる費用。今後定期的に払うようなものもあるでしょう。また、直接支払うものではありませんが担当社員の稼働も発生します。これは果たして管理する必要はないでしょうか。
さてこれらの支払いは経理上どういった処理が必要か。少なくとも、いつどんな科目でいくら支払が発生するか、という情報は管理しておく必要があるでしょう。会計事務所等に一任しているケースもあるでしょうが、IT担当者であればこのぐらいは押さえておきたいものです。というのは、たいていの場合、サイトを作ったらそれでおしまい、というわけではないはずだからです。
作ったあとの維持保守は誰がどうするのか。サイトの費用対効果はどうやって計測して、いつどう判断するのか。それによって次の展開をどうするのか…というように、さらなるカネ勘定が必要になります。IT担当の皆様、ここまで意識されていますでしょうか?
「サザエさん」の中でマスオとカツオが風呂から上がる時にフタを閉めるかどうかをコスト観点で議論していましたね。フタをしないと湯が冷めてしまい追焚のコストがかかるが、貴重な木材のフタがふやけて価値が下落してしまう。最終的には風呂上りにそんな議論をしてカゼをひいたら薬代がもったいない、と波平が一喝するわけですが、少なくともこれぐらいのコスト意識は持っていたいものです。
<今日の本歌>
中田義元・根岸世雄・藤田宏「大学への数学IIB」