第1154回 同形三復とΑΩ

つぎつぎと生産することばかりに熱心で、あとしまつに頭を使うのは、だれもがいやがっていたのだ(星新一『おーい でてこーい』)。こんにちは、スパイラル研究所の大島雅生です。

しまつとは始末、始点と結末であり、すなわち首尾、始終、阿吽、序跋であり、はじめと終わりであり、ピンからキリまで、であります。

つまり物事の全体の運びであって、成り行きを見届けることに通じ、一貫して筋を通すことに繋がります。はじまりがなければ終わりがないのと同じく、終わりがなければ始まりもないと思った方がよく、始まりがあって終わりが来て初めて物事は一つの体を成すわけですから、始まったものの終わりがない場合はまだ始まっていないも同然です。

それは底なし沼のような、千日手のような、無間地獄のような、メビウスの輪のような、なんとも不始末なものなのです。

(A面へ)

<今日の一唱>
星新一『おーい でてこーい』

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