第1112回 傾向推定とゼマンティーク
世の中は三日見ぬ間に桜かな(大島蓼太)。こんにちは、スパイラル研究所の大島雅生です。
時代は変わるとか回るとか巡るなどと聞きますが、具体的にはどういうことなのでしょうか。流行り廃りが変化したり、物価や経済が変動したり、国際情勢が蠢いたり、大衆文化が変遷したりと、社会を取り巻く様々な要素が入れ替わっていく状況を指しているのだとしたら、これらは全て人が操作したり評価したり判断したりした結果であって、時代の方から勝手に変質しているわけではないし、人が時代に飲み込まれているわけでもないし、時代の波に人が溺れているわけでもないのです。
時代が変わってしまったと嘆き、時代の変化についていけないと憤り、時代の波に取り残されそうだと焦っているのだとしたら、それは時代のせいではなく、人間の問題、すなわち自分たちがやっていることに自分たちが巻き込まれているだけなのです。
<今日の一唱>
大島蓼太の句