第1072回 ウアタイルスクラフトと軸装納経帳

よき人のよしとよく見てよしと言ひし吉野よく見よよき人よく見(こんにちは、スパイラル研究所の大島雅生です。

あの人が褒めた、この人が貶した、あのメディアで絶賛されていた、SNSで酷評されていた、云々、そういう他人の目に惑わされない姿勢を持たなければいけない。これは判断基準とか審美眼とか鑑識眼だけの問題ではなく、自分の頭で考えているかどうかの話であり、これができていないのであれば自分とは一体何なのかということになる。

すぐれた先達の評価観を参考にすることは重要ですし大いに勉強すべきものですが、何も考えず尻馬に乗るだけでは何の意味もないし自分のためにもならない。先達がなぜ、どのような考えをもって判断を下したのか、それに対して自分はどう思うか、何をどう参考にするべきか、自分がその判断に至らないとすれば何が原因なのか、別の観点から考えられることはないか、そういう思考が重要なはずです。これは自分と反対意見を持つ相手に対しても同様でしょう。

だからできるだけ多くの人の意見や判断を聞いて、それ以上に自分の頭で考えることが、判断力をつける唯一の方法だと思うのです。

(A面へ)

<今日の一唱>
天武天皇『万葉集』巻一・二七番歌

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