第928回 メニスカスと寂滅為楽

虫の音も花のにほひも風のブログも見し世の秋に変らざりけり。こんにちは、スパイラル研究所の大島雅己です。

どこにいやうが虫の声は虫の声。花の匂ひも変らない。葉に立つ露も、空の霧も、鹿の鳴声も雁の姿も同じもの。変つたとすればそれは見る人の心の問題だといふことです。

一方で、常に変り続けるものを見逃してもいけません。虫も花も鳥刻一刻と成長してゐますし、空気は対流を続け、水分は蒸散し凝縮し融解しながら三態を繰り返しますから、1秒たりとも同じではないはずです。変つてゐながら変らない、変らないながら変り続ける、それが世界の姿と言へませう。

人生も同じく、変り続けなければならず、また、ブレない姿勢も必要です。変りながら変らない生き方であるべきなのです。何がどう変り、何がどう変らないのか、それを常に意識してゐなければいけません。

IT現場でもやはり同じです。では何を変え続けるべきでせうか。何を変えずにおくべきでせうか。

(A面へ)

<今日の本歌>
作者不詳『浜松中納言物語』

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