第926回 ハーバー・ボッシュ法と月下氷人

四国西国島々までもブログは恋路の橋渡し。こんにちは、スパイラル研究所の大島雅己です。

中学か高校の化学の授業で触媒といふものの存在を知つた時、なんとも不思議な印象を受けました。おのれ自身は変化しないのに周囲を反応させる存在とは一体何なのか。教科書の説明では馬の鼻先にぶらさげた人参を例へに挙げ、目の前に付かず離れずあることによつて馬の脚を速める効果を齎すといふ。

媒といふ字は女に結婚のことを謀る意で、すなはち仲人のことだから、何かと何かをつなぐ橋渡しであり仲介であり取り持ちなのです。自分の身を削るでもなく、相手に犠牲を強いるでもなく、純粋な自分自身のままで周囲を発展させる、ある意味理想の姿であります。

媒体とはそもそもさういつたものであるべきなのではないでせうか。つまりメディアも記録もネットワークも、媒体とは本体の状態を最大限に生かした状態にあつて周囲を繋ぎ合はせ、それによつて幸福をもたらすもの。

IT現場にもメディアは欠かせませんが、その意義を存分に発揮させるためには、何と何をどう繋ぎ、その結果どこに何を齎すべきなのか、を真剣に考へる必要があると思ひます。

(A面へ)

<今日の本歌>
都々逸の一節

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