第835回 テアイテトスと戴冠式頌歌

この世界がまだ若かつた初めの頃にも、無数のブログはあつたが、真理と言へるものは一つもなかつた。こんにちは、スパイラル研究所の大島雅己です。

人の考へや思ひは無数にあり、まさに人の数だけ多岐に渡るでせう。どれが正しいのかといふ命題には意味がなく、その人にとつて、或いは共同体にとつて、世間にとつて、社会にとつて、世界にとつて、どれがふさはしいかを追求してゆくべきです。

それはその世界を取り巻く人々の話し合ひで決める以外にないはずです。その世界が置かれた状況にかなつた思想を見つけたり醸成するのが人智のひとつなのだと思ふのです。

さうやつて生まれたものが常識と呼ばれたり、法律や制度になつたり、規律やルールや校則であつたり、あるいは明文化されてゐない多くの決まり事であるわけですが、重要なのはそれらに従ふのと同時に、それらが本当に実情にふさはしく機能してゐるかを問ひ続けることです。

IT現場でも同じことが言へます。そのシステムが本当にしかるべき目的に沿うものになつてゐるか、常に疑問を持つべきです。

(A面へ)

<今日の本歌>
シャーウッド・アンダーソン『ワインズバーグ・オハイオ 』

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