第50回 本因坊とベルヌーイ過程

ブログとはブログ自身に関係するところの関係で、関係には関係が関係することです。こんにちは、大島雅己です。

われわれはIT現場の様々な場面で、いろいろな選択肢に遭遇します。ベンダーにWEBサイト構築を依頼すると、AとBの2つの案を提案される。ある機能を実現する方法を考えるのに、オンライン方式とバッチ方式の2つの案で比較する。トラブルの解決手段として、暫定措置を優先するか根本対応を優先するかで悩む。画面作成の仕事をA社とB社のどちらに発注するか検討する。などなど…。

選択肢はあまり多いと判断がしにくいので、シンプルな方がよいですね。でも、だからといって無理に減らしては意味がありませんね。取りうる手段が過不足なく挙がっていることがポイントだと思います。

ここで私が時々思うのは、選択肢は必ずしもMECEではない、ということです。A案とB案が提案されてきたが、その折衷案であるC案ではダメなのだろうか? とか、A案の一部分だけをB案寄りにしたAダッシュ案でも行けるのではないだろうか? といった可能性を考えるクセがついています。
何事も、きっぱりと分けられるとは限らないのです。それぞれのいいとこ取りしたものや、どれでもない別の案があるかもしれない。そういった可能性をとことん考えつくしたかどうか。案外、何となく2つに分けてみただけ、というような提案があがってきたりするものです。

ちょっとずれるかもしれませんが以前に書いた犬派・猫派の話のように、人は2つに分けるのが好きなのかもしれませんね。

いしいひさいち氏の漫画で「コンピュータ人間」というのが出てきます。どれだけ計算が得意なのか、と思ったらそうではなく、全ての物事を「損」「得」の2つだけで判断する男という、見事なネタでした。

<今日の本歌>
キルケゴール「死に至る病」

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