第10回 dCprGと運用保守

何かやってみて、うまくいかないとすぐいやになってしまう、これではいつまでたっても何もできないのです。こんにちは、大島雅己です。

ジャズミュージシャン菊地成孔さんのペンギン大学に通っています。今年度から、作曲コースが始まりました。
長年バンド活動を続けていますが、まともに曲を作ったことはありません。そもそも作曲というのはどうやってやるものなのか、そこから悩んでいます。電子ピアノを思いつくまま弾いてみても意味不明な音曲しか出てきません。楽譜の清書用に使っているFinaleソフトで適当に譜面を書こうとしてもやはり何も浮かんできません。
これから課題提出としていやでも曲を作らなければならないので、何とかしなければ…ということで、新しい試練の日々が始まりました。

新しい芸術作品を生み出す時の苦しみ、というのは、やはり相当にキツいものなんでしょうね。何もないところからモノを生み出す、0から1を作る苦悩。IT現場でも、新しいシステムやサービスを生み出す時というのは大変なものです。中身を考えるのにもがき苦しみ、システム向けに設計するのにのたうち回り、そしてシステム開発に七転八倒した挙句にようやく完成…。
しかし、芸術作品とシステムが違うのは、このあとです。
システムは作ってから、実際の運用が始まります。それは場合によっては数年、数十年に渡ることもあり得ます。この間にシステムには様々なことが起こります。新しい機能を追加したくなる。プログラムのミス、いわゆるバグがあとになって発覚する。業務やサービスが変わってシステムの仕様が合わなくなる。機械が老朽化して動きがおかしくなる。ウィルスに攻撃されてシステムが壊れてしまう。等々。
生みの苦しみは相当なものですが、実はたいていの場合、そのあとの維持の方が、人手もお金もかかります。育ての苦しみの方が大きいと言えます。
しかし、生みの苦しみにもがいている時、我々はそのことを忘れてしまいがちです。とにかくいいものをがんばって作らなければ! ということを一心に考えているので、作ったあとのことまでなかなか頭が回らなかったりするのです。生む人と育てる人が別々になるケースが多いので、なおさらです。
「育てるのになるべく手がかからない、いい子を産むこと」が、いいシステム開発と言えるかもしれません。

<今日の本歌>
藤子・F・不二雄「ドラえもん」

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