第215回 フラジャイルと銀巴里セッション

いかにも今様の文化ブログ、節穴だらけの文面の大形なきしみひときわせつなく、つれて深く狎れきった筆者の喘鳴が殷々とひびきわたる。こんにちは、大島雅己です。

「ぼんやりした」「ふわっとした」「やんわりした」「もやっとした」「うっすらした」「どんよりした」「不鮮明な」「曖昧な」「ファジーな」「どっちつかず」「迷いのある」「不明瞭な」…
こういった形容詞は、IT現場では嫌われがちです。IT現場でなくても、ものづくりをしようとする場でこういう状態は良しとされませんよね。かちっときちんと決めていかないと何をどう作ればいいかわかりませんし…。

しかし、人の考えや思いというものは、そもそこういう、ぼやっとしたものであって、それが蠢いていく中でいろんな方向に形として現れるのが自然なんだと思います。そういう意味では、いくら「かちっと決めましょう!」と言ってもなかなか難しいのかもしれません。

ですのですぐれたITエンジニアはそういうぼんやりしたものを受け止めた上で、それを設計にどう落とし込んでいくかを一緒に考えていきます。一緒に手さぐりしながら全体をうまく誘導していって、最後に形として「これですよね?」と示すわけです。
すぐれた指揮者とかバンドリーダーと同じです。

<今日の本歌>
野坂昭如「エロ事師たち」

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