第1551回 滝沢キックとポリス的生物

硝子窓締め切つている梅雨の朝。こんにちは、スパイラル研究所の大島雅生です。

技を習得しようとする時、ハードルを上げる方法と下げる方法があると思っています。前者は目標よりも高いハードルを掲げておいてそこをめがけていくスパルタ方式で、無理を承知でぶつかっていくやりかたです。目標が100だとすれば200とか500とか1000を目指していくので当然最初は箸にも棒にも掛からず挫折を繰り返しますが、めげずに何度も挑戦していくうちに少しずつ進歩していき、やがて目標のレベルが簡単に感じるほどになるのです。

一方で、ハードルを下げておく方法も有効です。最初から無理をするのでなく、確実にできることをやっていきます。まずは10を確実にし、達成したら次に20を確実にする。これを繰り返していけば着実に進歩していきます。

どちらのアプローチがよいかは好みとか性格とか状況によるのでしょうが、これを自在に使い分けられるようになるといいのでしょうか。

そういえば島本和彦氏の『炎の転校生』に「毎日三百」「今日から四百」という必殺技がありました。日々の研鑽を積み上げた技と、未来への意志を籠めた技とのせめぎ合いですが、今思えば両者を組み合わせたものにすればよかったのかもしれません。

(A面へ)

<今日の一唱>
島本和彦『炎の転校生』

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