第1519回 デフュージョンと風雅の誠

籐籠にぴたりはまりて猫眠る。こんにちは、スパイラル研究所の大島雅生です。

周りの人たちが普通にガラケーを使うようになったのはもうだいぶ前のことですが、当時わたしは会社員で、電話と言えば家でも会社でも固定が当たり前で、緊急の要件といえば仕事上で重大なトラブルが起きた場合に呼び出されるぐらいで、そういう時はポケットベルを使うのが常識でした(今ではポケットベルも前時代の回顧品でしょうか)。携帯電話を持つのはよほどのおしゃべりか、頻繁に移動しているような人か、新し物好きな人ぐらいだったのです。

しかしそんな空気はやがて一掃され、電話は携帯するものだという風潮ができあがり、いつの間にか自分も違和感なくガラケーを持っていたわけですが、次にスマートフォンが流行り出した時も同じような流れでした。最初はガラケーで充分だろうと思っていた自分も気がつけば最新のスマートフォンを有難がって使っており、今では手放すことができない状態にまでなっています。

これをごく自然な文化の潮流だと片付ければ簡単ですが、小難しく言えば、集団心理・トレンド・習慣性・利便性などの要素が合わさった現象、ということになるのでしょうか。

そういえばドラえもんの道具に「流行性ネコシャクシビールス」というすごいものがありました。あの場合はビールスが風でばらまかれることでトレンドが起き、1日経てばビールスが寿命を迎えて流行もきれいに終わる仕組みでしたが、現実の世界ではそう簡単なものではありません。

(A面へ)

<今日の一唱>
藤子・F・不二雄『ドラえもん』

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