第1486回 最近類とプロトン供与体
春惜しむ間もなく布団入れ替える。こんにちは、スパイラル研究所の大島雅生です。
三大栄養素といえば、炭水化物とタンパク質と脂肪、ということですが、それぞれがどんなものかをあらためて説明するとしたらそれぞれ「糖質のこと」「アミノ酸が集ったもの」「油のこと」などというのが一般的でしょうか。しかしこれだと具体的にどういうものかはわからず、もう一段階突っこんでみたいところです。
より厳密に定義するならば、それぞれ「アルデヒド基またはケトン基をひとつ持つもの」「アミノ基とカルボキシル基の結合がさらに鎖状に連結したもの」「脂肪酸とグリセリンがエステルになったもの」とでも言うか。厳密にした筈なのに、かえってわかりにくくなっています。
もっと細かく具体化すると、それぞれ「炭素・水素・酸素がある決まった配列で結合したもの」「炭素・窒素・水素・酸素・リン・硫黄が化学的に連結したもの」「炭素・水素・酸素が複雑に結合したもの」などとなり、余計に混乱するどころか、もはや炭水化物と脂肪の区別もなくなってしまっています。
これなら最初から「穀物とか砂糖の仲間」「肉とか魚とか卵の仲間」「ラードとかバターの仲間」などとした方がよほど伝わりそうです。正確に言えば伝わるというわけではありませんね。
そういえば天才バカボンに登場する学者の先生は学問を成り立たせるために厳密な言語表現に拘泥するあまり単純な言葉を理解できず、足が痺れた状態を表現するのに手間取っている間にトイレに間に合わないという失態を犯しました。その場その場で状況に適した対応が迅速にできることが大事なのだと実感します。
<今日の一唱>
赤塚不二夫『天才バカボン』