第1473回 リポジトリと信頼原則
夏近し国産みかんさやうなら。こんにちは、スパイラル研究所の大島雅生です。
某スマホ向けアプリのシステム不具合が致命的な問題になっている件で、ニュースを読んでしみじみと苦笑しつつ、呆れて物が言えない気分を味わいました。もともと開発が始まった時からキナ臭さぷんぷんでしたが、ここまでひどいと、これぞ「IT事故の見本市」として格好の教材としてもよいぐらいです。
トップダウンの命令による強引なスタート。殺人的にタイトなスケジュール。事前の広報や説明が不十分。使う人や守る人を無視した「作るの優先」突貫プロジェクト。関係者間の杜撰なコミュニケーション。動作確認のテストなし。問題が起きても重要性を理解せず、誰かが対応してくれているだろうと思い込む稚拙さ。これでうまく行くとしたら奇跡でしかありえません。
IT云々に関係なく、それ以前の問題なのですが、この状況を踏まえて「IT人材が不足しているせい」などという声が聞こえるのがまた噴飯ものです。
そういえばスコット・アダムズのコミック『ディルバート』に登場する上司は、IT用語が使われたプレゼンを理解できなくても、早く終ってほしいからといって一切質問しないのでした。一番大事なことが後回しされたり、忘れ去られたりしている状況は、日常にあふれているのかもしれません。
<今日の一唱>
スコット・アダムス『ディルバート』