第1454回 ボンボチと油歴青

干し網に春の野菜を切り並べ。こんにちは、スパイラル研究所の大島雅生です。

焼きたての焼鳥を食べるのなら、以前ならば当然居酒屋で、となっていたわけですが、昨年来そのチャンスがめっきり少なくなり、テイクアウト対応している居酒屋で買うかあるいはデリバリーできる店から届けてもらう方法にシフトしました。

近所にそういう店がなければ、デパ地下やスーパーなどの総菜売り場のものを買うことになります。居酒屋でなくても店によっては味の水準が高いケースもあり、値段も手頃だし1本2本の単位からでも気兼ねなく買うことができ、しばらく重宝していました。

しかしやがて、週に何度も同じ店で買っているうちに、これはこれでコストも嵩むしメニューもマンネリ化するので別の方向へ転換すべきではないかと考えるようになりました。そして行き着いたのが、自分で鶏肉を買ってきて自宅で焼くことでした。

現在はスーパーで鶏肉を買い、自宅で下拵えをして焼くスタイルが定着したのです。まとめて作って冷凍ストックし、数日は堪能できます。多少の手間暇はかかりますが総じて考えればたいしたコストではなく、時勢のおかげで以前なら思いつかなかった新しい生活様式を開発できたと思っています。今後もさらに方法をブラッシュアップしていくことでしょう。ヘタをすると専門的に焼鳥スキルを磨く可能性すらあります。

旨い焼鳥を食べたいという最終目的に向かって試行錯誤を繰り返した結果、当初は考えもしなかった選択肢が今では主役の地位にいるのです。目的は変わらずとも方法は無限にあるということでしょうか。

そういえば『美味しんぼ』では七輪の炭火を使った焼鳥よりもガスの上火で焼いたものの方が旨い例が描かれていました。煙や蒸気が肉を汚さないからだというのです。とすれば、居酒屋よりもむしろ自宅のグリルの方が旨い焼鳥ができるのかもしれません。

(A面へ)

<今日の一味>
雁屋哲・花咲アキラ『美味しんぼ』

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