第1435回 トレンドラインと貞丈雑記
気が変はるの気は天気のことなりや。こんにちは、スパイラル研究所の大島雅生です。
決して暇人ということではありませんが、久しぶりに折り紙で鶴を折ってあらためて気づいたことがあります。鶴を折る手順は15工程ぐらいありますが、ひとつだけ「省略してもよい」作業があります。それは工程の半ばあたりで、紙に折り目をつける部分です。一度折った紙を元に戻して、その時ついた折り筋を次の工程に利用するものであります。
折り筋がなくてもうまく折れるなら飛ばしてよい工程かもしれませんが、折り筋があれば次の工程が正確かつ簡単かつ素早くできるのです。相当に手慣れた人なら省略できるのでしょうが、通常は飛ばさずに従った方が結果的に生産性は高いはずなのです。しかし一般的に「生産性を上げよう」となると、この工程は真っ先にカットされるのではないでしょうか。
なくてもなんとかなるものならなくしたほうがよい、という思考回路は見直した方がよいかもしれません。なくてもなんとかなるものであってもなくさないのには理由があると考えるべきでしょう。
そういえば『サザエさん』では波平氏がドライヤーで髪を乾かすのを見てカツオが「ムダだ」と注意しようとする話がありましたね。しかしこれにはこれで何かしらの事情があったものと考えられます。
<今日の一唱>
長谷川町子『サザエさん』