第1425回 双喜文とエンスージアスト

春まけて白湯ひとくちを飲んでゐる。こんにちは、スパイラル研究所の大島雅生です。

ラーメン好きを標榜する人に大きく2種類あって、片や、金に糸目をつけず全国のラーメン店を食べ歩き、スープも麺も具も超一流の素材と調理法にこだわり抜いて、常に最高峰のものを求め続けるようなタイプ。もう一方は、とにかくラーメンを食べていないと落ち着かず、逆にラーメンがあれば他に何もいらないほどラーメン愛にあふれているような人。

前者にとってはカップラーメンなど邪道であり見向きもしないはずですが、後者は喜んでありがたくいただくでしょう。

はたしてこの両者のどちらが真のラーメン好きなのか、これは長年の構造問題の一つなのです。「最高のラーメンを追求する姿勢」と「広くあまねくラーメンを愛する姿勢」の違いは、「一点を極める」べきか、「領地を広げる」べきかの差異と言えるのかもしれません。自分の突端を尖らせることに心血を注ぐか、自分の陣地を拡大することに執心するか。数奇を極めたとき、こだわりは強まっていくものなのか、なくなっていくものなのか。

そういえば、天才バカボンに出てくる小学校の先生は、他人の酒息を嗅ぐことにも喜びを感じるような筋金入りの酒好きでした。どうもこちらの方が真の酒好きに思えてきます。

(A面へ)

<今日の一唱>
赤塚不二夫『天才バカボン』

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