第1320回 コーンビームCTと回転対称性
いらっしゃいませもありがとうございましたも、きちんとお客様に正対して言うこと(いしぜきひでゆき・藤栄道彦『コンシェルジュ』)。こんにちは、スパイラル研究所の大島雅生です。
マンガを読んでいてよく思うのですが、登場人物はたいてい少し斜めを向いています。時折おり真横を向いたり、あるいは90度以上向こうを見ていることもあります。つまり真正面を向いているシーンがほとんどありません。
試しに今、手塚治虫先生の『新宝島』を確認してみたところ、約700コマほどの中で登場人物が正面を向いている箇所は4件ほどでした。化を念のため赤塚不二夫先生の『天才バカボン』第1話および藤子・F・不二雄先生の『ドラえもん』第1話も確認しましたが、ともに0件です。
少し斜めを向くことによってマンガの中の空間に奥行きが生まれ、そこに読者は立体を感じ、状況をリアルに受け止められるのかもしれません。
現実の世界でも、人と正対する時は特殊な意味を生む状況なのでしょう。詳しくは行動心理学などの話になるのでしょうが、正対すべき場合、そうでない場合を普段から意識したいものです。
<今日の一唱>
いしぜきひでゆき・藤栄道彦『コンシェルジュ』