第1269回 ブドウパンモデルと第八風刺詩
心をわすれた科学にはしあわせ求める夢がない(手塚治虫『ミクロイドS』)。こんにちは、スパイラル研究所の大島雅生です。
中学校の理科の授業で原子や分子の仕組みを習って以来、すべてのものは原子から成っていてさらにその中では原子核の周りを電子が回っていることなどは前提知識として持っていますが、いまだにどう考えてもそれが本当のことなのだという実感はありません。
原子核とは一体何でできているのか。電子は何のために周期運動するのか。その動きや数が変わるだけで炭素が窒素になったりネオンがナトリウムになったりするのか。
これは少なくとも私が知覚できる範疇を完全に逸脱した世界の話であり頭で理解できるものではないとしても、確実に現状と地続きの話であって、SFでもお伽噺でもないのです。
世の中の全てを理解しようとは烏滸がましく無謀な話ですが、それが自分とどこでどう繋がっているのかは生涯考え続けるべきものだと思っています。
<今日の一唱>
手塚治虫『ミクロイドS』