第1235回 ミオトームと等ラウドネス曲線

くちなしの香の間近なるピアノかな(中村汀女)。こんにちは、スパイラル研究所の大島雅生です。

ピアノは指で鍵盤を押すもの、だと思っているうちはピアノを弾きこなすことはできない、と痛感させられる日々です。指はただ鍵盤の上を滑らぬように止めているだけで、それを支えているのは手の平一帯の筋肉であります。

それを前腕経由で上腕が左右に動かすことで音の移動ができているのであり、腕は肩を通して背筋によってコントロールされるのです。背筋を支えるのは腰であり下半身であります。

つまりピアノとは体幹すべてで弾くものなのです。音のダイナミクスは腕の重さをどの程度まで指先にかけるかによって調整されるのであり、その時どこにも力はかかっていないのです。だから屈強なマッチョマンよりも華奢な女性の方が高々と音を響かせることができるのです。

これは他の楽器にも、いや、もしかしたら人間が行うたいていのことにも当て嵌まる概念かもしれません。

(A面へ)

<今日の一唱>
中村汀女の句より

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