第1223回 認知的不協和とインキュベーション
いい哲学者になるためにたった一つ必要なのは、驚くという才能だ(ヨースタイン・ゴルデル『ソフィーの世界』)。こんにちは、スパイラル研究所の大島雅生です。
目標に向かって進む上で、問題が起きてしまったらどうするか。対処の選択肢はいくつもありますが、大雑把に考えればまず「問題を克服して進む」か「目標を変更する」かの2拓の判断があるはずです。後者には「諦めて試合終了」も含まれます。
なんとしてでも目標を変えずにやり抜きたい、なのか、状況に適切に順応して困難を切り抜けよう、のどちらか。こう考えると単純なことでありどちらにしても順当な方法であるかのようですが、現実世界では往々にしてすんなりと行かないものです。おそらく、問題を対処しなければならない、目標も達成しなければならない、そのダブルバインドに縛られてしまうからでしょう。
その目標は本当にそこまで絶対的なものなのか、その問題は完全に排除しなければならない悪なのか、そういう視点で考えると突破口が見つかることもあります。
<今日の一唱>
ヨースタイン・ゴルデル『ソフィーの世界』池田香代子訳