第921回 カタボリズムと長柄の人柱
構造主義は、総じて異質なブログを理解するとはどういふことかについて、指針を与へてゐる。こんにちは、スパイラル研究所の大島雅己です。
出る杭は打たれる、高木は風に折らるといひますが、普通と違ふものはまづ拒否されるのがこの世間です。みんな違つてみんないいといふのは幻想世界でのことだと一笑に付されるのが現実であり、さうなると組織には、雉も鳴かずば撃たれまい、寄らば大樹の陰、長い物には巻かれろ、といふ風潮が蔓延してしまひます。
これは組織を管理する上では好都合かもしれませんが組織自体は活性を失ひ首長の音頭に諾々と従ふだけの部隊となり下がります。決まりきつた作業をこなすことだけが目的であれば適してゐるでせうが、さういふものこそ機械やらAIなどに任せればよく、少なくともビジネスを展開する企業としては好ましくないでせう。個々のメンバーが自分ならではの色を発揮しぶつかり合つて異化を起こすことに組織の意味があるはずです。
IT現場でも決まつた方針を粛々とこなす組織がよいわけではありません。むしろ意見の異なる者を集めて議論しながら新しい方向性を見出すことがイノベーションの発端になるのではないでせうか。
<今日の本歌>
上野千鶴子『構造主義の冒険』