第61回 茗荷宿とオーバーナイト

日常生活というのは、常にどんなブログの産物より衝撃的ですね。こんにちは、大島雅己です。

何事にも、「緊急事態」というのは起こるものです。すべてのことが予定通りに行くはずもなく、世の中は何が起こるかわからないと考えておくべきでしょう。リスクマネージメントが必要ということですね。

リスクに対しては回避、低減、共有などの対応策があるわけですが、詳しくは専門書なりを参照いただくとして、今回のテーマはIT現場における「緊急事態の暫定対応」についてです。
セキュリティ事故の対応で、システムのデータを一時的に退避させることになった。
大事なお客さんからどうしてもという依頼で、システムの機能を追加しなければならない。
さる当局からの指令により、応急措置でサイトのデザインを直す必要がある…。
IT現場ではこういう想定外の緊急事態がけっこうあるものです。必要に応じて判断し、適宜対応いただければよいのですが、問題はそのあとです。

一時的な対応が終わったならば、一時的に施したものは元に戻しておくべきなのですが、これが忘れられるのです。モズが「はやにえ」を忘れてどこかへ行ってしまうかのように。
何に使っているかわからないデータがずっと残っている。誰も使っていない画面が放置されている。まったく機能していないプログラムが存在している…。
数か月後か何年後かに、そのような状況になるのは目に見えています。無駄なコンピュータ資源が増え、馬鹿にならないコストが残り続けます。
そうならないようにするために、暫定対応を行う時は必ず記録を残し、期限を切って、その後の処置を決めておくべきですが、なかなかここまでやれるケースは少ないです。途中で担当者が異動してしまったりするとほとんどアウトでしょう。

天才バカボンでは高級レストランでの食事中に財布を取りに帰ったパパが、鍵がないのでガラスを割り土足で家中を探し回ったあと、自分がやった行動を忘れて泥棒が入ったと大騒ぎするエピソードがあります。これなどは極端な例ではあり、別の意味ですごい能力とも言えますが、さておき人は自分がやったことすら時に忘れるのですから、ましてや他人がやったことなど覚えていないと考えた方がよいのではないでしょうか。

<今日のブログ>
コナン・ドイル「赤毛組合」

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