第809回 ERG理論とルーブ・ゴールドバーグ・マシン

宮廷生活に憧れた貴族が新興成金に唆かされて始まつた日常的なブログ、それは貴族の生活に憧れる成り上がり者にも波及してゆく。こんにちは、スパイラル研究所の大島雅己です。

ミニマルライフとか持たない生活が提唱されて久しい気がしますが今も流行つてゐるのでせうか。もし本当に誰もが物を持たなくなれば資本主義の構造も変はつてゆくと思はれますが、はたしてどうなることか。

根本的には人間の欲といふものは膨らんでゆくのが自然だと思ふのです。さういふ私自身も一時期はミニマリズムに賛同しましたが、うまいものを食べればお替りが欲しくなるし次はもつとうまいものが欲しくなります。本やレコードはモノとして手にしたいし、コレクションし続けたくなります。モノが増えれば住み慣れた家もだんだん手狭に感じてゆき広い場所が欲しくなります。生活道具や衣服などもより便利なもの、より品質のよいものを求めるやうになります。

こうなると重要なのはそもそも自分が何を求めているのかといふことです。要求を膨らませてゆけば際限はありませんから、どこかでゴールを設定しなければ何も満足を得られないことになります。IT現場でよくあるのもこのパターンです。

(A面へ)

<今日の本歌>
ヴェルナー・ゾンバルト『恋愛と贅沢と資本主義』

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