第35回 パチンコとゲジラ計画
氷雪のブログからやってきました。熱泉のらせんから馳せ参じました。こんにちは、大島雅己です。
ITシステムは難しいものだと捉える方もいらっしゃいますが、結局のところシステムがやっていることは「外からデータを取り込んで、加工して外に出す」という単純な図式になるはずです。
だからシステムの構成要素は大きく言えば「容れ物」と「中身」の2つです。
人体の中を血液が循環し、各器官に栄養を分配する図式。あるいは水道網の中を水が流れて、各設備に用水を伝搬する図式。そういうものと似ていると思います。
IT現場でよくあるのが、容れ物の方を気にして中身を忘れてしまうケース。
容れ物とは、コンピュータ本体や、周辺設備、およびそこに組み込むシステムのこと。
中身とは、その中で処理される情報、データのこと。
つまり、プログラムの品質に気を配ったりサーバや設備のケアにお金をかけたりする一方で、データ管理をさぼってしまうというケースです。
プログラムがちゃんとしていればデータもきちんと維持される、と錯覚されるのかもしれませんが、それは間違いです。
データは放っておくと形状も値も意味もどんどん変わっていきます。どこにどういうデータがあり、どう変わっていくべきである、というルールや情報をきちんと管理していないと、すぐにわからなくなってしまいます。この管理ができていないと、正しいデータが得られないことになります。
本来、システムによって我々が得たいものは「中身」のはずなのです。容れ物がしっかりしていても中身が正しくなければ本末転倒です。
映画「マルサの女」のように、銀行がちゃんとしているように見えても扱っているお金が汚れているといずれ大変なことになるというわけです。
<今日の本歌>
レッド・ツェッペリン「移民の歌」