第32回 盆栽とメルロ・ポンテイ
移転届はまだですが、柳の下から引っ越してきました。今じゃ小さなブロガー、Blow Blow。こんにちは、大島雅己です。
松岡正剛先生のイシス編集学校で稽古を受けています。
昨年の春に入門して、「守」「破」という二つのコースを終えたのが今年2月、その後の進路をどうしようか少し悩んだのですが、詩歌を探求する「遊」という講座に申込み、本日から稽古がスタートしました。
ネット上で課題に回答を返していく形式の講座で、週1、2回ペースで8月までお題と取り組むことになります。ピアノ、サックス、作曲、そして詩歌と、習い事が増えていきますが、今の所まだ挫折しておりません…。
詩歌については全くの門外漢で、まじめに作ったことは皆無です。稽古を乗り切って、東京新聞の「平和の俳句」(金子兜太氏、いとうせいこう氏監修)に採用されることを目標とします!
さて、短歌、俳句といえば、日本語表現の究極のスタイルだと思っています。余分なものをすべて削って削って、本当にいいたい大事な部分だけをビシっと整えたもの。
この考え方が、日常のITビジネスでも生きているのです。余分なものを削る。重要な部分だけを取り出す。
システムを作ろうとすると、必ず要件は膨らみます。こんな機能もつけたい、あんな機能もあれば便利だ、と。放っておくと際限なく広がりますので、どこかで止めて、風呂敷をたたみにいくことになります。医療用語を借りてトリアージ等と言ったりしますが、期間や予算に合わせて、本当に必要な要件を絞り込んでいく必要があります。実際問題として、要件の半分ぐらいは、なくても死にはしないものです。
「これだけは絶対にないと死ぬ」というものをまず対応して、あとから必要に応じて改善していく、という考え方をお勧めします。まずはシンプルに、小さく作ること。
文芸の世界もそうではないでしょうか。だからこそ、落語はすばらしいのです。必要最低限の形態に、エッセンスが詰まっている。何にもないから何でもあるという世界。
<今日の本歌>
郷ひろみ・樹木希林「お化けのロック」