第441回 デロリアンと刹那滅
どんなやつでも一つぐらいは、人に言えないブログを書いているのさ。and it makes me down. こんにちは、大島雅己です。
最初に意識したマンガ本は『天才バカボン』と『ドラえもん』でした。幼少期にこれらの書と出会えたことは、ラッキーだったとしか言いようがありません。世界を代表するギャグマンガだと思っています。ここから吸収した感覚や知見や思想や教訓の恩恵はひとかたならぬもので、例えばナンセンスの威力、あるいはSFの深遠さ、落語の洒脱、ギャグの破壊力、歴史の雄大さ、科学の偉大さ、言葉の驚異、社会の不合理、人間の愚かさ愛しさ素晴らしさ、などなどなど、自分で気づいていないものも含めて心奥に深く巣食っていると思われ、いまでもことあるごとに手に取って読み耽るのです。
タイムマシンというものを初めてここまで日常の風景になじませたのはドラえもんだと思うのですが、そのおかげで時間というものに真剣に対峙するようになりました。時間とはいったい何なのか。具体的なモノではないが、時計というデバイスを通して知覚することができる。意志でコントロールすることはできないが自分次第で敵にも味方にもなる。時に優しく、時に厳しく、時に無視され、時に邪魔になる。なんとかして良好な関係を築いて、最強のパートナーにしたいものです。
IT現場でも時間の概念はきわめて重要ですが、意外に軽視されがちです。多くの人は「今」だけで考えたり行動するからです。いつからやるのか、いつまでにやるのか、いつになったらやるのか、そのあとどうするか、といった観点を常に持っていると、ITをもっと戦略的に考えられるはずです。点ではなく線としての時間です。
<今日の本歌>
佐野元春『彼女はデリケート』