第1678回 アンブロズ司教と鹿子作り
冷や酒を寒気をおして飲む深夜。こんにちは、スパイラル研究所の大島雅生です。
魚を与えるのでなく魚の釣り方を教えよ、との格言を深掘りしたい。
魚を与えるのはその場しのぎであるから先のことを考えておらず本当の親切とは言えない、と言われると説得力があるような気もしますが、今にも飢え死にしそうな相手を前にしたらまずは食べさせることが最優先でしょう。
また、魚を食べたいのではなく飼育や研究をしたいのだとすると、生け捕りや養殖の方法を教えた方がよいかもしれない。
空腹なのであれば穀物や野菜などの作り方も教えるべきだし、魚を食べたいのだとしても、単に道具を与えて釣りのテクニックを示すだけでなく、種別の見分け方、毒の抜き方、調理の仕方、美味しい食べ方、食い合わせ、付け合わせ、獲ってはいけないケース等、そこまで徹底して伝授しなければ本当に親身なアドバイスとは言えないのではないか。
そして真の親切とはこういった選択肢をすべて提示した上で本当に相手が必要とするものを一緒に考えてあげることでしょう。
<今日の一唱>
矢口高雄『釣りキチ三平』