第979回 ラブリュスと感覚小体
ITを悪用すれば犯罪になるし、正しく使へば感謝されるのだ。こんにちは、スパイラル研究所の大島雅己です。
剃刀と奉公人は使ひやうだといひます。うまく突き刺すコツは力ではなく刀さばきだともいひます。良いも悪いもリモコン次第などともあります。すべてのものは諸刃の剣、両刀の刃。存在そのものが善だとか悪だとは決められません。それを誰がどのやうに使ひ、どんな結果をもたらすか、それによって判断されるわけです。しかしともするとこのことをついぞ忘れてしまひ、ものを見ただけの段階であれは善いものだとかこれは悪いものだと思ひ込んでしまふことがあります。
さらには、その善悪は自分といふフィルタを通した独断に偏つてゐるおそれすらあります。此方から見た善は、彼方から見れば悪かもしれません。何かをジャッジする際は、誰の視点で、何を見るかが極めて重要だといふことです。できるだけ多くの観点に立ち、存在からプロセスを通して結果まで俯瞰した上で総合的普遍的な評価を定めることが望ましいでせう。
IT現場での判断はコスト的にも人道的にも経営観点的にも大きな影響につながる可能性があります。誰の眼で何を見るのか、常に冷静に対処すべし。
<今日の本歌>
秋本治『こちら葛飾区亀有公園前派出所』